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千原 順三
Progress of Theoretical Physics, 59(1), p.76 - 86, 1978/01
被引用回数:30以前に古典液体を扱うPercusの方法を量子論的に拡張することで、量子論的Hyper-netted Chain方程式を導いたが、この式が絶対零度の電子ガスを扱うKohn-shamの方法からも導けることを示した。この導出は、またPercusの方法の量子系への拡張が正当であったことをも証明している。さらにKohn-shemの方法によって一定密度からのずれが大きい場合の外場U(r)中の電子密度分布n(rrU)を求める積分方程式を導いた:この式の第1項は、バンド計算・原子構造の計算に用いられるSloterの局所ポテンシャルを与え、第2項以上はこれにたいする非局所性の補正を与えることが示される。ここで導いた積分方程式は、絶対零度の電子ガスばかりにではなく、有限温度の量子液体にも適用できる。
千原 順三
Progress of Theoretical Physics, 60(6), p.1640 - 1652, 1978/00
被引用回数:14水素プラズマを、陽子電子の混合系として10,10,610,610固/cmの密度の場合、いくつかの10Kのオーダーの温度で、量子力学的なHNC方程式(QHNC)を用いて動径分布関数を計算した。陽子・電子の分布関数は、昔から古典的な取扱いでは発散を生じることが知られているが、この方法によるとQHNC方程式にともなうSchroedinger方程式を解くことで自動的にこの発散は防がれる。同時に水素プラズマ中における電子の陽子による束縛エネルギー準位も計算された。10,10,610,610個/cmの密度で各々3.310,4.810,5.410,5.910K近くで、水素分子の形成を示す山が陽子・陽子の相関関数に現れる。またプラズマのこの温度への接近は、電子の束縛エネルギーの変化が大きくなることで観測されることが予測される。低密度高温領域では、QHNC方程式からある条件の下に導かれる量子力学的Debye-Hiickel方程式で、束縛エネルギー準位・相関関数を、ともに正しく計算できることを示した。